野菜が青々と生き生きと育っている畑がある、狛江市郊外の閑静な
住宅街。
建築予定地の目の前には、樹齢70年の大きな桜の木がありまし
た。この桜の木、ご主人様が幼少の頃に植えられたものだとか。
それをいつでも眺められる部屋がある家、というのが、クライアン
トであるご夫婦のご希望でした。
バリアフリーはもちろん、お孫さん達が遊びに来てもみんなで料理
したり食事したりして過ごせるよう、間取りはシンプルに、広々と
した空間を個室以外どこにいても見渡せるように配慮。
仏間兼ご夫婦が日中過ごす和室の開口部の目の前には、あの大きな
桜の木がいつも見えるようにしました。
建物は、本物志向のご夫婦にふさわしいように、外壁は焼杉、玄関
床には大谷石、玄関壁には美濃和紙、建具は栓の突板、ベンチはタ
モの一枚板、リビングには地松の大きな梁、室内壁は珪藻土、床は
タモの無垢材などなど、自然素材をふんだんに採用。
エアコンなどの設備も空間の雰囲気を損なわないよう壁埋込に。
大きな開口部はカーテンではなく、柔らかい明るさが心地いい障子
をご提案。
大工さんの匠の技術も余すところなく発揮された、清くて優しさの
ある空間に仕上がりました。
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