コンセプトは京都の町屋。家の中央に坪庭を設け、家のどこからでも眺めることができる。小さな空間だが完全なプライベート癒し空間だ。坪庭につづく小道は路地を連想させ、上部にバルコニーがあり床はグレーチング仕様で光と雨、風を素通りする。駐車場を含む前庭には、トラック一台分の古瓦を敷き詰めた。雨が降ると陶器を叩いたような音が心地よく、建築主と一緒に金槌で細かく砕いた事がいい思い出になっている。タイルやガラス、スチールやステンレスなどの素材や仕上げ材にもこだわった。シューズクローゼットやテレビ台などの家具や建具はすべてオリジナルでデザインをし、制作した。この思いで深い住宅は、私個人の設計の原点にもなっている。 |