依頼は自転車を収納する小屋を作りたいというものでした。ただ倉庫を作るだけではもったいないので、施主の暮らしと人間関係を含めた環境全体を繋ぐ拠点となるようなものを目指し設計しました。建築のスキームから考え、素材は近所のホームセンターや知合いの金属業者など施主自身でアクセス可能なものに限り、材料選びから施工まで施主とともにセルフビルドしました。施主の知人などが次第に参加していき、施主の人との繋がりが具現化したような小屋になったと思います。参加者のほとんどはセルフビルドが初めてで、当初は手探りの作業も後半は施工提案がされるほどになりました。細部まで見えているからこそ応用やメンテナンスも施主自身で可能となります。建築行為が物質としての建築に留まる事なく、人や時間、仕事やコトに対しても広がりを与えていく。建築を出来事として捉える事の意味を教えてくれたPJです。 |