■20坪程の敷地に建つ専用住宅です。
南は、街路樹を伴った比較的広い道路に面しています。
敷地に立ち、先ずこの街路樹を借景として取り込もうと考えまた。
1・2階は内外ともコンクリート打ち放し、3階は木構造とした。
2階の居間と食堂は、緊張感のあるコンクリート空間の中に、
街路樹の穏やかな緑を取り込み、対比させることによって
互いの存在感が増幅されるように設計してみました。
■居間 装飾壁
コンクリートという圧倒的な質感の中で
住まい手が生活感を吹き込むことのできる限られた
装置のひとつとして設計してみました。
材料は、砂・土をイメージできるものとしました。
色は多少湿り気を残した褐色に、手触りも荒目にしました。
海鳥たちが島の絶壁に、思い思いの形の巣をうがつ
そんな光景を思い浮かべました。
■界 壁
居間と階段室との間を、コンクリートの彫刻的な壁で仕切りまた。
空間を隔てるだけの壁ではなく、いろいろな壁があってもいいと
思いました。アート心を触発するもの、人と対話する壁
建築はもっと人の心に身近なものであるべきです。
余談その一
床材に注目!実はここのご主人がメキシコ旅行の際、
素足で歩いたタイルの床の心地良さが忘れられず、
1~2階すべての床を素焼きタイルで敷き詰めました。
こんな思い出を織り込むことも、住まいをつくる
大切なファクターにしていきたいですね。
余談その二
その年の瀬、数日後には除夜の鐘の音も聞こうというある日
待望?の暖炉!!の完成!
やはり、冬暖かく・夏涼しくは有り難いものです。 |